現在のブライトンは、プレミアリーグでも屈指の前線選手層を誇ります。ダニー・ウェルベック、ジョアオ・ペドロ、ジョルジーニョ・ルター、三笘薫などの主力選手が揃い、さらにエヴァン・ファーガソンやヤンクバ・ミンテ、フリオ・エンシソといった有望株も控えており、そのおかげもあってリーグ戦では全体の5位と好調をキープしています。
さらに、ファクンド・ブオナノッテやアマリオ・コジア=デュベリーなどの選手がローン先で経験を積んでおり、ユースからもジョシュ・ダフスやマーク・オマホニーといった才能が台頭しています。アマリオ・コジア=デュベリーはアーセナルのユースアカデミーでは「次のブカヨ・サカ」になれると言われている逸材なので、今後がなんとも楽しみです。
しかし、この豊富な選手層により、ファーガソンやエンシソが出場機会を求めて他クラブへの移籍を模索する可能性が出てきています。特に、少し前まで1億ポンドと評価されていたファーガソンような選手に出ていかれるのは、ファンとしても複雑な心境です。
タレントの流出とクラブの戦略
ブライトンは2021年にわずか1万ポンドでコヴェントリー・シティに放出されたヴィクトール・ギョケレスの失敗を忘れてはいけません。同選手は今シーズン、ポルトガルのスポルティングで前半だけで33ゴールを記録し、その市場価値は8500万ポンドにも上ると見られています。
一方でブライトンの良さは、スター選手が抜けても代替となる選手を外から探してきて、人材の循環がうまくいっているというところにもあります。イヴ・ビスマが移籍し、モイセス・カイセドが加入し、そのカイセドは昨シーズンにイングランド史上最高額の移籍金で売却され、その穴を埋めたのがカルロス・バレバです。
若手選手の流出は避けられない一方で、「次のギョケレス」のようなスターの卵をしっかり見極めて放出しないことも重要です。ブルーム会長も「今後の移籍市場では静かになるだろう」と述べ、既存選手やローンから戻ってくる選手の活用を強調しています。
選手層の厚さはファンにとって喜ばしいものですが、一部の才能が出場機会を得られず移籍を余儀なくされるジレンマも存在します。ブライトンがこの課題にどのように向き合うのか、今後の動向が注目されます。
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